疾患編 (テキスト解説)

18. 高血圧の治療(生活習慣改善)

高血圧の発症に関わる"環境要因"は生活習慣の影響を受けるため、全ての高血圧患者に対して生活習慣修正の教育や指導を行います。

特に食塩の過剰摂取は血圧上昇と強く関連し、減塩の降圧効果が証明されています。様々な大規模臨床試験の結果から、欧米のガイドラインでは食塩摂取量6g/日未満あるいはそれ以下が推奨されており、2012年発表のWHOのガイドラインでは5g/日未満が強く推奨されています。JSH2014では日本の実情を考慮し、減塩目標値は6g/日未満と設定されました。

日本では依然として平均食塩摂取量が10g/日を超えており、達成には大きな努力が求められます。メタ解析の成績では減塩1g/日ごとに収縮期血圧が約1mmHg減少するという報告もあることから、少しずつでも減塩できるように長期的な指導が必要です。

DASH食は野菜、果物、低脂肪乳製品などを中心とした食事摂取(飽和脂肪酸とコレステロールが少なく、カルシウム、カリウム、マグネシウム、食物繊維が多い)のことであり、高血圧の食事療法にも取り入れられています。ただし、DASH食は欧米を中心に検討されているため、日本では資料として推奨されるものが乏しく、健常者を対象にしている『食事バランスガイド』などが参考になります。

一方、重篤な腎障害を伴う患者の場合、高カリウム血症を防ぐためにも野菜・果物の積極的摂取は推奨されません。同様に特に肥満者や糖尿病患者などのカロリー制限が必要な患者では、糖分の多い果物の過剰摂取も勧められません。

n-3多価不飽和脂肪酸(魚油に多く含まれる)の摂取量が多い人は血圧が低い傾向にあり、介入試験のメタ解析で魚油の摂取増加は高血圧患者に降圧効果をもたらすことが示されています。

その他、減量運動節酒禁煙も高血圧の改善・予防に重要です。

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