1968

特異な作用を持つ新冠状血管拡張剤

nitrophenyl-dimethyl-dihydropiridine-derivateの薬理作用について

橋本 虎六 先生 他

心臓 3(11)1294-1304, 1971

ニフェジピンの本格的基礎研究は、ドイツと同時に日本で開始した。日本におけるニフェジピンの研究は、心循環系の基礎研究で世界的に知られていた、東北大学医学部薬理学教室に委ねられた。基礎研究において、ごく微量で強力な冠血管拡張作用を有することが実証されると、ただちに臨床研究が開始された。以後、日本はニフェジピン研究の指導的役割を担うことになった。

橋本虎六先生の回顧録には、「この薬を用いて人命の救われる狭心症や高血圧患者があるなら、大いに威力を発揮してくれと祈るような気持ちで臨床研究の成績を見守った」とある。(Deutsche Medizinische Wochenschrift 22, 1979,12.10)

橋本 虎六 先生 東北大学医学部 薬理学教室

橋本 虎六 先生
東北大学医学部 薬理学教室(当時)

nitrophenyl-dimethyl-dihydropiridine-derivateの静脈内投与における冠血流量(CSF)、血圧、心拍数(HR)

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麻酔犬を用いた実験で、ニフェジピン(nitrophenyl-dimethyl-dihydropyridine)を静脈内投与したところ、1μg/kgという極めて低用量で冠血流量(CSF)が著明に増加した。このニフェジピンの冠血流量増加作用は、当時の代表的な冠血管拡張薬の約100倍であり、そして全身血圧においては拡張期血圧を低下させ、その結果、脈圧の増加と平均血圧の低下が認められた。このことは心拍出量の増加も意味しているが、しかしこの状態でもニフェジピンは冠血流量を増加させ続けた。