アダラートCR錠10周年記念ドクターインタビュー

2008年07月 掲載ドクター

各先生方のご所属は2013年12月現在のものです。

厳格な降圧に加え心保護効果も期待できるアダラートCR錠

高血圧治療の概念は、この10年の間に大きな変化を遂げた。「降圧か臓器保護か」といった論争が盛んに行われ、臓器保護の面からRA系抑制の重要性に注目が集まっていた。しかし、その後の様々な大規模臨床試験において、わずか数mmHgの差でも有意に心血管イベント発生に影響を与えることが報告され、厳格な降圧の重要性が再認識された。

アダラートCR錠は強力な降圧効果と24時間にわたる作用持続が特徴で、早朝の血圧コントロールも期待出来る優れた降圧薬である。私が臨床で最も重要視している十分な降圧を得るためにCR錠は適しており、特に腎障害や糖尿病合併などの高リスク患者や、高齢者の収縮期高血圧症に対する治療には重要な位置を占める薬剤と考えている。また、CR錠は、RA系抑制薬と同様に「Beyond blood

pressure(降圧を超えた作用)」も数多く報告されており、その一つである抗酸化作用に着目している。酸化ストレスが心不全発症要因の一つであることは良く知られており、われわれは心肥大モデルマウスを用いてニフェジピンの効果を検討した。その結果、ニフェジピン投与後に心肥大と心筋の線維化が抑制され、その効果には酸化ストレスの抑制が寄与していることが示唆された。アダラートCR錠は、降圧効果に加えて抗酸化作用を介して心保護効果を発揮できるのではないかと期待している。

大津 欣也 先生 大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学 准教授

大津 欣也 先生
大阪大学大学院 医学系研究科
循環器内科学 准教授


切れの良い降圧と血管保護が期待できるアダラートCR錠

脳・心血管イベントの発症抑制は降圧に依存することが明らかになり、厳格な降圧が求められている。従来のアダラートがもつ「切れのよい」降圧効果を有したまま、課題であった交感神経系の亢進を軽減し、24時間にわたる降圧効果が持続するアダラートCR錠は現在のニーズを満たす必須の降圧薬である。また、冠攣縮に対する抑制効果も優れており、ACTIONやJMIC-Bなど大規模臨床試験のエビデンスも揃い、高血圧症・狭心症治療において今後もなくてはならない大切な薬剤であると認識している。加えて様々な研究が進み、心血管保護作用に結びつくような多面的作用が明らかになっていることも興味深い。

実際にわれわれも長時間作用型アダラート製剤の脳・心血管イベント抑制効果を基礎的な面から裏付ける報告をしている。高血圧患者をアダラートCR錠で治療する事により前腕動脈内皮機能の改善が認められたこと、そしてこの血管内皮機能改善の機序として、骨髄由来の血管内皮前駆細胞(EPC)数の増加と、分化・遊走能を改善させた結果であることを報告した。

われわれは、これらアダラートCR錠の持つ血管内皮細胞への作用が、心血管イベント抑制にも少なからず影響を与えていると考えており、厳格な降圧と様々な研究で明らかにされた多面的な作用を併せ持つアダラートCR錠は、高血圧・狭心症患者の予後改善にこれからも貢献していく必須の薬剤であると確信する。

土肥 靖明 先生 名古屋市立大学大学院 医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 准教授

土肥 靖明 先生
名古屋市立大学大学院 医学研究科
心臓・腎高血圧内科学 准教授


単剤でも併用でも優れた臨床効果を有するアダラートCR錠

アダラートCR錠が強い降圧効果をもつ薬剤であることは周知のとおりであるが、私は虚血性心疾患の患者における冠攣縮予防という面でも絶大な信頼を置いている。元来、アダラートは、非常に切れ味がよい薬剤であったが、長時間作用型になって安定した血圧コントロール、そして早朝に多い冠攣縮の予防がより可能なものとなった。

現在、血圧コントロールは、1日24時間の単位で血圧変動をみて、個々の患者さんの病態に合わせた治療を行う時代になっている。1998年に登場したアダラートCR錠は、24時間安定した血圧コントロールを可能にしたことで、高血圧治療における現在の要望に先駆けて応えてきたといえる。

アダラートCR錠は、単剤はもちろんであるが、ARBとの併用でも優れた降圧効果と臓器保護が得られることは、我々が実施したNICE-Combi studyにおいても明らかにされている。これは、優れた降圧効果をもつアダラートCR錠が有する、ARBとの相乗的な結果であり、日本人に適した併用療法だと考えている。また、錠剤径が小型化されたスモール錠が登場したことで、コンプライアンスの面もさらに改善している。これ以上小さいとつまみにくく、大きければ服用しにくい。そのバランスが十分に計算されたスモール錠には、バイエル薬品の高い製剤技術が発揮されている。こうした、文字通り「信頼と実績」のあるアダラートCR錠は、高血圧・冠攣縮治療において今後も不可欠な薬剤であると期待している。

長谷部 直幸 先生 旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態 内科学分野 教授

長谷部 直幸 先生
旭川医科大学 内科学講座
循環・呼吸・神経病態
内科学分野 教授


多面的な作用が期待できるアダラートCR錠

従来、Ca拮抗薬は血管拡張作用や降圧作用のみが着目されてきた。しかし、基礎・臨床研究の結果から、抗炎症や抗酸化などの血管保護的な作用が明らになってきた。このことからも、Ca拮抗薬は単なる降圧薬から「血管も保護できる降圧薬」へと位置付けが変わりつつあるといっても過言ではなく、その代表的なものがアダラートCR錠であるといえよう。

わが国の臨床現場では、Ca拮抗薬とARB等のRAS抑制薬の併用が多く行われているが、両剤の併用が相乗効果をもたらすことは、いくつかの臨床的な検討における降圧効果とイベント発症抑制において優れていることが証明されており、またCa拮抗薬がCa2+を阻害することによりAT1受容体の刺激作用が抑制されるという、作用機序的な側面からも裏付けられている。

我々はこれまでニフェジピンの血管保護作用の機序として炎症反応に着目し、血管障害などに関与する転写因子であるNF-κBの活性化をニフェジピンが抑制をすることを動物モデルで確認した。さらに血管保護作用にとどまらず、新たな作用として認知機能の低下抑制も明らかにしている。糖尿病モデルマウスにおける検討では、ニフェジピンは血圧や体重の有意な変化なしに認知機能の低下が抑制された。この作用には、血糖及びインスリン抵抗性の改善に加え、脳内の酸化ストレス抑制、神経細胞分化抑制の阻害、脳血流増加などの多面的な働きが関与していることが示唆されている。 このように、基礎的な面からも様々な作用が明らかにされていることから、アダラートCR錠の臨床的な意義については、今後もさらに脚光を浴びることになろう。

堀内 正嗣 先生 愛媛大学大学院 医学系研究科 分子心血管生物・薬理学 教授

堀内 正嗣 先生
愛媛大学大学院 医学系研究科
分子心血管生物・薬理学 教授