アダラートCR錠 製造工程

アダラートCR錠 製造工程

有核二層錠/徐放化製剤であるアダラートCR錠が24時間安定した血中濃度を維持するためには、内核錠の位置設定が最も重要です。そのため、バイエル薬品では徹底した品質管理により、規格に合致した製品だけをお届けしております。

アダラートCR錠 製造工程

スライド

アダラート®CRの構造と持続性のメカニズム

アダラート®CRの構造と持続性のメカニズム

アダラートCR錠は、断面図のように外層部と内核錠の2層で構成されています。
まず、外層部のニフェジピンが水分の多い胃から小腸にかけてゆっくり溶出するように設計されており、その結果血中濃度の立ち上がりが緩徐となり、交感神経系に対する影響を軽減しました。
その後、水分の少ない消化管下部に達すると、内核錠のニフェジピンがすみやかに溶出するよう調節することで、血中濃度が低下することなく、持続的にニフェジピンの濃度を維持し、24時間安定した推移が得られるようになりました。

Controlled Releaseのメカニズム

Controlled Releaseのメカニズム

アダラートCR錠のニフェジピンの溶出過程を模式的に示したメカニズムです。外層部と内核錠の両方に結晶ニフェジピンが含まれており、まず外層部が水分の吸収により湿潤してゲル化が起きます。
その後、ゲル化した部分が徐々に浸食される際に、ニフェジピンが溶出します。外層部の浸食後、内核錠からも同様のパターンでニフェジピンが溶出するといった溶出過程となります。

外層部と内核錠で異なる溶出速度

外層部と内核錠で異なる溶出速度

アダラートCR錠は、胃で崩壊するタイプの錠剤とは違い、胃から消化管下部へ移動しながら水分によってゲル化・浸食されるタイプの錠剤です。
消化管の水分量は、胃や小腸上部(十二指腸)付近で最も多く、消化管の下部ほど少なくなることから、錠剤が通過する部位の水分量に合わせ、ニフェジピンの溶出を調節するというのがアダラートCR錠のアイデアです。

アダラートCR錠は、おだやかな血中濃度の立ちあがりを得るために、まず外層部からゆっくりニフェジピンが溶出し、水分の少ない消化管下部では、吸収の低下を防ぐため内核錠から比較的すみやかにニフェジピンが溶出するように調節されています。
単なる徐放化では安定した血中濃度が24時間持続しませんが、有核二層錠にし、溶出速度を2段階にすることにより、おだやかで安定した血中濃度が24時間持続するようになっています。

アダラート®CRの有核打錠工程

アダラート®CRの有核打錠工程

こちらは、製造のKEYとなる有核打錠工程のイメージ図です。
まず、打錠器の臼の中に、外層部の下半分の顆粒を充填し、その後内核錠を外層部の上にセットします。その際に、CCDカメラを用いて、全錠剤の内核錠の位置を確認、規格からはずれるものについては、自動的に排除できるようなシステムを用いて、規格に合致するものだけが、錠剤化されるようになっています。

弊社の工場において、製造工程をご覧いただいた先生方からは、この高度な製造技術に対して大変高いご評価を頂きました。

その後、外層部上半分の顆粒を充填し、サンドウィッチ上に圧縮成型し、有核二層錠を作製します。

In-line位置測定システムの開発・導入

In-line位置測定システムの開発・導入

内核錠の位置を全数保証するためのIn-line位置測定システムに関して紹介します。
In-lineでは、唯一内核錠の位置を確認できるのは、外層部の顆粒を充填し、内核錠をセットしたときのみです。そのため、内核錠をセットした直後に映像を撮り、そこから内核錠の位置を測定しております。

しかし、内核錠がセットされた直後は、十分な隙間が無く、画像を取るためのカメラを直接セットできないため、横方向からプリズムを通して、画像をカメラに取り込み、その画像を処理して、内核錠と外装部の中心位置の差を測定しております。(25錠/1秒のスピード)
中心のずれが、0.6mm以上ずれると、不良品として認識・排除されるシステムになっています。例えばですが、0.5mmのシャープペンシルの芯のズレさえも認識して、排除する非常に高度なシステムを採用しております。

内核錠位置の溶出挙動への影響

内核錠位置の溶出挙動への影響

内核錠の位置の安定化が重要な理由につきましては、位置のずれが薬物の溶出に大きく影響するためです。
例えば、水平方向では、外装部の中心と内核錠の中心の位置の差が、ある0.6mm以上ずれると、図で示すような溶出挙動を示さず、点線で示すように、早く溶出し、フラッシングが増加したり、24時間血中濃度を維持できくなる可能性があります。

内核錠の位置が、安定した血中濃度を保持するために最も重要であるため、バイエル滋賀工場では、位置測定システムによる全錠検査と人の目による抜き取り調査のダブルチェックを行い、規格に合致した製品のみを提供しております。

従来錠と小型錠の比較 (20㎎錠)

従来錠と小型錠の比較 (20㎎錠)

2005年にアダラートCR 20mg錠は、服薬アドヒアランス向上を目指して小型化製剤であるスモール錠の開発に成功しました。
しかし、開発に至るまで、ニフェジピン含量及び含量比率(外層部と内核錠)を変えることなく、錠剤重量を半分にする必要があったため、添加剤(高分子ゲル化剤)の比率や種類を工夫することにより、小型化しても同じ溶出プロファイルをもつ製剤化に成功しました。

また、機械的な強度を保持することも大切であるため、崩壊試験などを実施し、添加剤の種類や量の検討を詳細に行った結果、3種類ほどの候補製剤を Pilot BE 試験で事前に評価し、最終製剤を決定しました。

従来までのCR錠は直径9.2mmでしたが、スモール錠では体積が半分以下になり、7.1mmと非常に飲みやすくなりました。アダラート CR 錠は日本の皆様のニーズに答えるべく、剤型変更や小型化錠、80mg適応拡大と進化し続けております。高い技術力・品質保証の基に製造されているアダラートCR錠を引き続き宜しくお願い致します。

Webカンファレンス

アダラートCR錠 内核錠の位置の安定化と高度な品質保証について

吉田 篤也 氏 バイエル薬品株式会社 プロダクトサプライジャパン本部 ビジネスコーディネーション マネージャー

吉田 篤也 氏
バイエル薬品株式会社 プロダクトサプライジャパン本部
ビジネスコーディネーション マネジャー
2007年7月、部門名が、「滋賀工場」から「プロダクトサプライジャパン本部」に改名。

ご所属は2014年4月現在のものです。