玉置 俊晃 先生
徳島大学大学院
ヘルスバイオサイエンス
研究部
神経情報医学部門
病態情報医学講座
薬理学 教授
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ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬のパイオニアであるニフェジピンは、強力な冠攣縮抑制効果と優れた降圧効果が魅力である。アダラート・カプセルとして世に誕生して以来、臨床にて得られたエビデンスの蓄積と、医療ニーズに沿った剤型の改良が重ねられ、現在では1日1回型のアダラートCR錠が高血圧・狭心症治療に供されている。一方で私は、以前から薬理学の観点から “pleiotropic effect”に着目し、降圧作用とは独立した血管保護作用や臓器保護作用が期待できるのではないかという確かな期待を持っていた。これまで、生体の酸化ストレスをテーマに研究を重ねてきたが、一連の研究の中でもニフェジピンの抗酸化作用は注目に値する。動脈硬化の発症において、最初のステップとなるのが内皮細胞の障害であり、ここから炎症などの悪循環が形成される。アダラートCR錠は、良好で安定した降圧効果とともに、抗動脈硬化作用をも期待できる優れた高血圧・狭心症治療薬である。
さらに、興味深いことに、われわれはニフェジピンの光分解物の一つであるニトロソピリジン体が、培養細胞において細胞膜内での脂質の過酸化を抑制し、各種酸化ストレスによる細胞障害を抑制することによりICAM-1の発現抑制や、TNF-αによる細胞生存率の低下を抑制する可能性を見出した。臨床においてどれだけの恩恵があるのか、あるいは新たな可能性を見出せるのかを期待するところである。
ニフェジピンは、薬理学的にみても非常に魅力ある物質であり、アダラートCR錠には更なる飛躍を期待している。
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