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CR錠10周年記念ドクターインタビュー
 2008年10月 掲載ドクター
玉置 俊晃 先生 徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 神経情報医学部門
病態情報医学講座 薬理学 教授
永田 浩三 先生 名古屋大学医学部 保健学科 准教授
野出 孝一 先生 佐賀大学内科学 教授
松﨑 益德 先生 山口大学大学院医学系研究科 器官病態内科学 教授
(50音順)

薬理学的魅力を感じさせるアダラートCR錠
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玉置 俊晃 先生

徳島大学大学院
ヘルスバイオサイエンス
研究部
神経情報医学部門
病態情報医学講座
薬理学 教授

 ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬のパイオニアであるニフェジピンは、強力な冠攣縮抑制効果と優れた降圧効果が魅力である。アダラート・カプセルとして世に誕生して以来、臨床にて得られたエビデンスの蓄積と、医療ニーズに沿った剤型の改良が重ねられ、現在では1日1回型のアダラートCR錠が高血圧・狭心症治療に供されている。一方で私は、以前から薬理学の観点から “pleiotropic effect”に着目し、降圧作用とは独立した血管保護作用や臓器保護作用が期待できるのではないかという確かな期待を持っていた。これまで、生体の酸化ストレスをテーマに研究を重ねてきたが、一連の研究の中でもニフェジピンの抗酸化作用は注目に値する。動脈硬化の発症において、最初のステップとなるのが内皮細胞の障害であり、ここから炎症などの悪循環が形成される。アダラートCR錠は、良好で安定した降圧効果とともに、抗動脈硬化作用をも期待できる優れた高血圧・狭心症治療薬である。
 さらに、興味深いことに、われわれはニフェジピンの光分解物の一つであるニトロソピリジン体が、培養細胞において細胞膜内での脂質の過酸化を抑制し、各種酸化ストレスによる細胞障害を抑制することによりICAM-1の発現抑制や、TNF-αによる細胞生存率の低下を抑制する可能性を見出した。臨床においてどれだけの恩恵があるのか、あるいは新たな可能性を見出せるのかを期待するところである。
 ニフェジピンは、薬理学的にみても非常に魅力ある物質であり、アダラートCR錠には更なる飛躍を期待している。

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心筋と血管の両面から心保護効果が期待されるアダラートCR錠
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永田 浩三 先生

名古屋大学医学部
保健学科
准教授

 “厳格な血圧管理“はJSH2004をはじめ、多くのガイドラインで「予後改善の重要な課題である」と述べられている。そのような中、発売10周年を迎えたアダラートCR錠は、Ca拮抗薬の中でも優れた降圧効果を有し高血圧治療に果たす役割は、ますます大きくなってきている。実例として挙げるなら、日常臨床においてはRA系薬剤を増量させても十分な降圧が得られない糖尿病や腎障害合併する患者にはしばしば遭遇する。このような患者の降圧目標値を達成する上で、CR錠は欠かせない「頼もしい降圧薬」であるといえよう。また、CR錠は製剤工夫により1日1回投与を実現し、ニフェジピンの良さをそのままに時代のニーズに応えて進化している。
 1日1回型アダラート製剤はACTION試験において、Ca拮抗薬で初めて心不全の新規発症を抑制することが報告されている。
 われわれは、ニフェジピンの心保護作用を、拡張期心不全モデルラットを用いて検討した。その結果、興味深いことにニフェジピンは降圧効果を示す用量だけでなく、血圧に影響を与えない用量においても、左室心筋の線維化やMMP活性を抑制し、心筋リモデリングを抑制した。これは抗酸化作用によるものと推察しており、強力な降圧作用に加え多面的な作用を示唆するものである。また、ニフェジピンは、血管平滑筋に作用し血管保護を示すというデータも数多く報告されている。心臓を「心筋と血管の集合体」の臓器と考えた場合、CR錠が心臓という臓器全体を保護する可能性を示しており、今後のさらなる検討に期待している。

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実績と信頼を備えたアダラートCR錠の歴史は続く
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野出 孝一  先生

佐賀大学内科学
教授

 アダラートCR錠は、ニフェジピンの特徴である切れ味の良い強力な降圧効果を持ったまま、顔面紅潮やフラッシング等の副作用の軽減を実現した、まさに日本人に合ったカルシウム拮抗薬である。循環器医として普段、アダラートCR錠は心筋梗塞等の虚血性心疾患を合併した高血圧患者や、狭心症患者に用いることが多いが、その理由は冠動脈疾患の進展抑制を念頭におき、冠血流量改善や冠攣縮抑制を期待しているからである。これは、これまでのACTION studyや日本で行われたJMIC-B studyの結果を重視した結果であり、長時間作用型アダラート製剤は単に長年使われ続けたのではなく、多くのエビデンスで証明された予後改善の実績があり、そのことが我々循環器医のアダラート製剤に対する信頼になっている。一方でINSIGHT studyでは、高リスク高血圧患者において、糖尿病や高脂血症の発症を抑制することが証明されており、さらにJ-MIND studyでも糖尿病合併高血圧患者において、標準薬として位置づけられるRAS抑制薬と同等の腎症進展抑制効果が報告されている。このことは高血圧や狭心症のように長期にわたる治療を考慮した場合、臓器保護や予後改善の点から好ましいものといえよう。つまり長時間作用型アダラート製剤は、降圧効果以外にも、糖・脂質代謝に対して好影響をもたらしている可能性があり、これは血管内皮機能改善がひとつの理由ではないかと推察するが、今後詳細が解明され、新たな実績になることを期待している。

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決して歩みを止めないアダラートCR錠
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松﨑 益德  先生

山口大学大学院
医学系研究科
器官病態内科学
教授

 1972年に医者としての第一歩を踏み出した私は、当時BAYa1040と呼ばれていたニフェジピンを用いて、生まれて初めての臨床試験を命じられた。その見事に冠攣縮を抑える作用に当時大きな感動を覚えたものであるが、その後アダラートカプセル、アダラートL錠、と次々に改良を加えられ、一日一回型ニフェジピンとして発売されたアダラートCR錠が発売10周年を迎えることは非常に感慨深い。アダラートCR錠は、BAYa1040から脈脈と受け継がれた優れた狭心症への効果もさることながら、しっかりとしかも速やかな降圧効果が特に優れていると感じる。従来のニフェジピン製剤で比較的多いとされた頻脈やフラッシングなどの副作用も、その安定した24時間血中濃度推移の実現により大きく減少し、現在のガイドラインで推奨される厳しい降圧目標を達成するのになくてはならない薬剤であるといえる。また、その長い歴史の中でも決して歩みを止めることなく、次々と新しい知見が生まれていることも忘れてはならない。われわれの実施した最近の研究でもニフェジピンが高血圧ラットのアディポネクチンを上昇させることを報告した。このニフェジピンの効果は、PPARγを活性化させることにより得られていることから、ニフェジピンには糖尿病や高脂血症を合併した高血圧患者にも優れた臨床効果を持つ可能性が高い。実際、国内の最近の臨床試験結果からもアダラートCR錠がインスリン抵抗性を改善することや、糖尿病を合併した高血圧患者のアディポネクチンを正常化することが報告されている。高血圧における大きな治療目的のひとつは、このような合併症を持つ患者さんのリスクを軽減することであるため、従来から認められていた優れた作用に加え、次々と新しい知見が生まれるアダラートCR錠に私は今後も期待する。

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